日本語「音声言語」の基礎資料

―日本人はどんなふうに、どんなキャラでしゃべっているの?―

研究の概要

基盤研究『日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成』

詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

概要

研究課題名:日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成

研究助成事業:科学研究費(Grant-in-Aid for Scientific Research (A))
研究種別:基盤研究(A)
研究期間:平成19年度〜22年度
研究代表者:定延利之(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)
課題番号:19202013

研究目的

 小中高の国語教育に「音声言語」が導入され、「話す・聞く」そして「伝え合う」ことに力点が置かれるようになって久しいが、「音声言語」の教育は未だに、十分機能しているとは言えない。その原因は、指導要領(文部科学省による『学習指導要領解説 国語編』)に「音声言語」という語句が使われているだけで具体的な記述がなく、「音声言語」に対する現場教師の理解が不足していることにある。また、海外の日本語教育機関で日本語を教える外国人教師に対しても、日本語音声への理解を深める適切な指導が必要である。日本語の「音声言語」がどういう話し方を指すもので、学習者に何をどう教えればよいのかを、現場教師にわかりやすく示すことが急務である。

 そこで本研究では、日本語の「音声言語」の教育に役立つ基礎資料を作成する。そのために本研究では、日本語話者がどのような音声をどのように発しており、それがコミュニケーションにおいてどのような機能を果たしているか、調音と機能の実態を調べて法則化する。具体的な調査項目は、声帯振動の有無(特に母音の無声化)、声質(りきみ等)、アクセントとタイミング(特におそ下がり)、イントネーション(特に発話態度に関連するもの)、言いよどみとタイミング(特にポーズ・延伸・途切れ)である。これらの項目における日本語の特徴を明確にするため、必要に応じて対比のために、英語と中国語に関する資料も作成する。

研究経費

平成19年度 11,830千円
平成20年度 11,520千円(申請額)
平成21年度 12,220千円(申請額)
平成22年度 11,662千円(申請額)

 

基盤研究『人物像に応じた音声文法』

こちらのページでも紹介しておりますのでご覧ください。

概要

研究課題名:人物像に応じた音声文法

研究助成事業:科学研究費(Grant-in-Aid for Scientific Research (A))
研究種別:基盤研究(A)
研究期間:平成19年度〜22年度
研究代表者:定延利之(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)
課題番号:19202013

研究目的

  本研究は平成18年度までの科研「日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成」をさらに拡大・発展させるもので、その研究が成果として約束している「英語・中国語など言語対照をふまえた日本語『音声言語』教育の基礎資料」を引き継ぎ、その価値を次の形で格段に高めるものである:基礎資料を通して日本語学習者が「自分はどんな人物として日本語社会に参入しようとするのか」を選べるようにする。

 申請者らは「日本語話者はどのような態度や感情で、どのようにしゃべるのか?」という問題を研究し、情報処理や教育への応用を試みてきた。その中で浮上してきたのが、『人物像』という新たな問題意識である。「どのような態度や感情で、どのような音声を発するか?」という問題は、話し手の『人物像』を考慮に入れて追求すれば格段に大きな成果があがる。日本語学習者や機械が、本当に日本語を自然にしゃべるとは、『大人らしく/子供らしく/権威的専門家らしくしゃべる』といったこと、つまり『らしくしゃべる』ということであり、それにはモデルとなる何らかの『人物像』が必要である。現在進行中の基礎資料作りプロジェクトに、『人物像』の考えを取り入れて、基礎資料の改善をはかりたい。

研究経費

平成19年度 11,830千円
平成20年度 11,520千円(申請額)
平成21年度 12,220千円(申請額)
平成22年度 11,662千円(申請額)