![]() ![]() |
私たちは日本語の発音のしかたや、日常のコミュニケーションにおける特徴や様々な「ワザ」の研究を通じて、「話す」・「伝え合う」ことについての教育や、日本語を学習する人々が知っておくと役に立つと思われる「日本語コミュニケーションのしかた」の教育に役に立つような基礎資料を作っています。 現在、国語教育では小学校・中学校・高校の指導要領に「音声言語」が導入され、「話す・聞く」そして「伝え合う」ことに力点が置かれるようにはなってきましたが、「音声言語」の教育は今日においても教師の方々にとって、どのように教えたらよいものなのかがよくわからないという声がよく効かれます。また、海外の日本語教育機関で日本語を教える外国人教師に対しても、日本語音声への理解を深めるための適切な指導のために必要な要領や教材が必要であると思われます。そして、日本語の「音声言語」がどういう話し方を指すもので、学習者に何をどう教えればよいのかを、現場の日本語教師にわかりやすく示すことが急務であると私たちは考えます。 基礎資料とはどのようなものかと言いますと、音声言語に関係する様々な現象を映像によってより効率よく理解できるような各種データ・資料の集まりです。日本語の発音のしかたについてはMRIによる口の中の透視映像を使うことによって、従来の感覚に基づく指導法からひと目で見てわかる口の中の映像による指導が可能になります。日本語コミュニケーションのしかたについては様々な場面での実際の会話・スピーチの映像データを使うことによって、日本語学習者にとって特に不可解と思われる日本人の言語行動(例えば単なるためらいではない「いいよどみ」や「空気すすり」「首かしげ」など)がどの様な場面で使われるのかを映像の形で見ることが出来ます。また、研究で明らかにしたことに基づいた適切な解説を加えることによって、日本語によるコミュニケーションについての理解をいっそう深めることが出来るようになります。また、研究のもととなった会話やスピーチの映像は日本人教師が不足する海外の日本語教育機関で学ぶ人にとって、ドラマやアニメとは違う「ナマの日本人の会話・スピーチ」を知ることが出来ます。 国語教師・日本語教師にとって使用に堪えるような基礎資料を作成するに当たって、国語教育・日本語教育の分野での研究発表や研究会を通じて現場の教師の方々に見ていただき、様々な意見をいただくことによって基礎資料はより有用なものに進化していきます。このWebサイトでは、その結果を反映させて随時、サンプルではありますが基礎資料を提示し国内外問わず多くの方にご覧いただき、意見をいただいています。 |