![]() 図1 磁気共鳴映像(MRI)装置 ![]() 図2 MRIによる口の中の画像 |
たいていの外国人の日本語は、ひとこと聞いただけで外国人だとわかってしまいますよね。日本語の発音を外国人に教えることは、まだまだむずかしいわけですが、そもそも私たち日本人は日本語をどんなふうに発音しているのでしょうか? 人間ドックを受けると、オプションで、脳ドックというのがあるんですが、脳ドックではMRIという、CTスキャンよりもう少し新しい機械で頭の中を透視されます。MRIを使うと、脳血管に将来、破裂してしまうような瘤がないか、脳血管が詰まっていないかなどが、そのままわかるわけです。 われわれはこのMRIを使って、脳ではなく、口の中を透視して、日本語の標準的な発音の様子を調べ、発音教育に利用できる基礎資料を作っています。 |
ゴルフ雑誌の記事には、選手がスウィングする様子の連続写真を載せているのがありますね。「百聞は一見に如かず」という諺どおり、あれがあるのとないのとでは、スウィングのわかりやすさがまったく違ってくるでしょう。 舌がどう動くか、喉の奥で何が起こるかをMRIで撮影すると、口の中の様子がこれまでにないほどはっきりわかるので、新しくわかってくることも少なくありません。 具体的に調べることとしては、日本語の声帯振動の有無(特に母音の無声化)、声質(りきみ等)、アクセントとタイミング(特におそ下がり)、イントネーション(特に発話態度に関連するもの)、言いよどみとタイミング(特にポーズ・延伸・途切れ)を予定しています。日本人の日本語発音だけでなく、アメリカ人の英語発音や、中国人の中国語発音、さらに日本語を学んでいるアメリカ人や中国人の日本語発音、日本人の英語発音と中国語発音なども調べていますので、調査の結果は、日本語教育だけでなく、私たちの英語学習や中国語学習にも役立てることができると考えています。 |
![]() 図3 ゴルフのスウィングのコマ撮りイメージ 図4 MRIによる口の中の動画 (三角のボタンを押すと再生されます) |