日本語話者が話しているときに時々、歯と歯の間から空気を吸い込んで「スー」という音を立てることがよくあります。これを仮に「空気すすり」と呼んでおきます。日本人の間ではこの「空気すすり」は中年以上の男性(特に関西地方の人)がするもので、若い女性がするものではないと思われがちなのですが、実際には下の映像のように若い女性でも「空気すすり」をすることがしばしばあります。
日本語話者(女性)による「空気すすり」 三角のボタンを押すとムービーが再生されます。 |
「大阪弁について」 男:やっぱ神大(神戸大学)に来るのが大阪の人が多いからかな 女:[空気すすり] そうなんかなー でも なんか大阪弁と神戸弁 の ち ねーなんか話してるの聞いててもよくわかんない |
日本語でのコミュニケーションでこの「空気すすり」は、考えているとき、恐縮しているときに現れます。「空気すすり」自体はほかの言語の話者にも観察されますが、それぞれ意味が違います。英語では言いにくいことを言うときの前触れとして、中国語では当惑しているときや遠まわしに非難するときに現れます。ですから、日本語話者が「空気すすり」をしたときは、英語や中国語話者の「空気すすり」の示す意味とは違った状況ですので、決して誤解しないように注意する必要があります。
詳細な基礎資料は日本語版および英語版を用意しています。(別ウィンドウで開きます)