私が薦めるこの一話

立部文崇先生(徳山大学)

第6回投稿作品 日本語学習者の部 2015037 話者36さん「船長ゲーム」
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 船長ゲームは、日本語学習者が日本語で行った小学生との交流で失敗した体験談についての「ちょっと面白い話」でした。話し自体もなかなか面白い話しでしたが、何よりも目をひいたのは、自分が失敗した時のことを話すときと、その前提を話すときとの表情のギャップでした。失敗のもととなった「船長ゲーム」という子供と遊ぶゲームの説明のときは、いたって無表情でこの人は、面白い話を自分でしながら、その面白さに自分で「ぷっ」と笑ってしまうことはないのだろうかと思いました。そんな無表情な彼が、自分の失敗談を話す段階になって、表情が崩れ、自分でもそのおかしさに笑い、話しているところはとても楽しそうでした。面白い話をする人が先に笑ってしまうと、きっと面白くない話になるのだろうと思いましたが、無表情に、淡々と話すというのも、きっと面白くなく見えるだろうと思いました。このさじ加減、どうやったら身につけることができるのか、プロとアマチュアの違いを考えることになる作品でした。

第4回投稿作品 2013028 ふーさんさん「プーさんラーメン」
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 怖い先輩と怖い先輩にラーメン屋に連れて行かれる後輩のお話でした。とても怖い先輩に連れて行かれたラーメン屋で、先輩のラーメンに「虫」が入っているという事件が起こり、先輩が怒り出すという内容でした。この作品は、話し手ではなく聞き手が画面上に映っており、画面の下には、「映像は聞き手の方です。反応を見ながらお楽しみください。」と書かれている少し変わった作品でした。最初は、一生懸命聞いている人を笑わせようと思って、頑張ってるなーという印象の作品でしたが、最後の最後で、「ふんふんふん、それで?」と愛想笑いしかしなかった聞き手が「あははは」と笑い出しました。途中で、ものすごく話し手が頑張っているところがあって、そこで聞き手の反応がいまいちだったので、このまま苦しい感じで終わるのだろうと思いきや・・という作品でした。



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